近年、パスタやラーメン屋は目に見えて増えてきた沖縄でも、日本そば屋を見かけることはあまりありません。
沖縄でそばといえば、一も二もなく沖縄そばのことを指すのは周知の通り。
那覇のような繁華街ならまだしも、観光客もそれほど多くない基地の町・嘉手納で営業する日本そば工房・せい家
店の入口脇にはそば打ち台があり、ご主人が熱心にそばを打っている姿を見られることもあります。
自家製粉の十割手打ちそば
那覇市内から車で40分ほど、国道58号線の嘉手納ロータリー近くにある日本そば屋。
ご主人の手打ちするメニューは、八割そばと十割そばが基本。
正直、沖縄に十割そばを提供するお店があるなんて予想だにしませんでした。
日本そばが茹で上がるまで、熱いそば茶が提供され、ご主人が趣味で集めたジャズレコードが流れる店内。
アメリカンな空気の中で提供される、白い十割そば。
日本そば工房・せい家の十割そば(更科?) pic.twitter.com/DR34NMYYIX
— tripokinawa (@tripokinawa1) 2018年11月20日
多少、そば殻が見え隠れするものの、見た目は麻布十番の堀井のさらしなそばに見えなくもないかも。
(堀井のさらしなはもっと細く、真っ白ですが)
蕎麦の実の芯の部分だけを使うため白いそばに、そば粉は自家製粉というこだわりよう。
極細の白いそばをつゆに浸し一気にすすると、そばの香りが鼻孔を通り抜けていきます。
仕上げにはトロトロのそば湯が提供されて、しっかりと締めることができます。
十割そばといえば蕎麦の実が入った色の濃い麺というイメージですが、せい家では田舎そばという名前で提供されています。
嘉手納の日本そば工房・せい家、十割田舎もりそば pic.twitter.com/oHPEt6nNA9
— tripokinawa (@tripokinawa1) 2018年11月20日
なぜ嘉手納で日本そば屋を?
観光客の多い那覇であれば、日本そばは受け入れられやすいと思うのですが、なぜ嘉手納に出店することになったのか。
会津出身のご主人は、暖かい場所でそば屋を開きたいという想いがあり、沖縄への移住を決心したそうです。
当初、本部町の海沿いに良い場所を見つけて引っ越しの準備をしていたものの、直前になって大家さんからまさかのダメ出しでお店を借りられなくなる事態に。
今よりもはるかに県外の人には厳しかった時代の影響なのかもしれません。
急いで代わりの場所を探し、たまたま見つかったのが現在の嘉手納のお店だったそうです。
大通りから外れた場所ながら、いざ開店してみると日本そばの味を知る皆さんには大好評。
噂を聞きつけ、遠く沖縄南部からも車で駆けつける人も少なくないそうです。
好奇心旺盛な沖縄の皆さんにも認められ、ご主人は嘉手納の匠の一人にも選ばれたそうです。
せい家へのアクセス
せい家には駐車場はないので、嘉手納町東駐車場などに車を停めることになるかと思います。
ちなみに、12時間まで100円で停められるようです。
または那覇バスターミナルから、28番、29番、120番バスで約1時間、嘉手納バス停下車後徒歩5分でお店に行くことができます。
日本そば工房・せい家
- 住所:沖縄県中頭郡嘉手納町嘉手納296-4
- 営業時間:11:00~15:00
- 定休日:月曜日
- TEL:098-957-3139
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