沖縄県南部の那覇市壷屋は、その地名の通り焼き物(やちむん)の街として歴史を築いてきたところです。
300年以上前からつくられている壷屋焼、国際通りのすぐそばにありながら、窯元や店舗が軒を連ねるやちむん通りには焼き物が所狭しと並べられていて、見るだけでも楽しめます。
壺屋陶器まつり
そんな焼物の里、壺屋で毎年行われている壺屋陶器まつりが今年も開催されます。
39回目となる今回も壺屋小学校のグラウンドで、300年以上続く窯元作品の展示即売会が実施されますが、通常の2割引が基本で、それ以上に値引きされている作品もあります。
普段お会いすることのない陶工さんに作品の解説をしてもらえるのも、まつりならではの楽しみです。
伝統的な模様に込められた意味合いなど、説明を聞くことで陶器の持つ意味も違ってきます。
モチーフに込めた陶工さんの想いを聞くことで、壺屋焼の歴史を感じることができます。
焼き物以外にも、やちむんに関する書籍やグッズなども販売、屋台や休憩所もあるのでじっくりと好みのものを探す楽しみがあります。
日替わりイベントも
壺屋陶器まつりでは、やちむんオークションや福引など日替わりイベントが開催されています。
中でも、毎年最終日におこなわれるカーミスーブという、陶工さんたちが紅白に分かれてリレー形式で与えられたお題を早く美しく仕上げるかを競うレースが人気です。
イベントの見どころは「カーミスーブ」と言う陶工たちの勝負。与えられたテーマの作品をいかに早く美しく仕上げるかをリレー形式で競うもので、陶工たちの手技を間近に見ることができます。
⇒https://t.co/dyK6FYTpJB pic.twitter.com/E9eqcr6BM2— たびらい沖縄 (@fanokinawa) 2015年10月28日
大御所といわれる陶工も参加されているようで、子供たちが真剣な眼差しで作品が出来上がるのをじっと見つめていている様子は、やちむんの伝統が受け継がれていることを感じさせます。
壺屋焼とは?
17世紀の琉球王朝時代、当時の王さまが県内に点在していた陶工を壺屋に集めて誕生した壷屋焼。
焼き物づくりに必要な水や土の確保がしやすかった土地だったのが壺屋。
本格的に壺屋焼が普及したのが、泡盛の輸出が激増し、その容器としての壺の生産が拡大に増えました。
当時は登り窯で焼成していた壺屋焼ですが、市街地となった那覇市では環境への配慮から市内での登り窯が禁止され、ガス窯への転換を強いられました。
ガス窯での焼成に不満をもつ多くの陶工が、1970年代に登り窯を米軍基地跡地を提供した読谷村に移住し、現在のやちむんの里と呼ばれる地域がつくられました。
窯が読谷村に移設されても、つくられるやちむんは壺屋焼の名称のままというのが、伝統を重んじる沖縄らしいと思います。
第39回 壺屋陶器まつり
- 開催場所:那覇市立壺屋小学校
- 住所:沖縄県那覇市牧志3-14-12
- 開催日:2018年11月23日(金)〜25日(日)
- 開催時間:10:00~18:00
- TEL:098-866-3284
コメント