沖縄で人気の串焼き、焼き鳥や焼きとんに使用されているのが、お店独自の秘伝のタレ。
創業当時から継ぎ足して使われている店も少なくないと思います。
(もちろん膨大な飲食店すべてについて調べたわけではないので主観です)
長年継ぎ足しされたタレこそが、お店のアイデンティティになるわけですが、長い間継ぎ足したタレは腐ったりしないのか?
ふとそんな疑問を抱いたので、調べてみることに。
自然に低温殺菌されている
手法の違いは多少あれど、串焼き屋さんでは串を焼きながらタレに何度か漬けるという作業をされています。
実はこの作業によって、継ぎ足しされたタレが低温殺菌され、菌の繁殖を防いでいるとのこと。
繁盛店ほどタレが腐らないと言われる所以がここにあったんですね。
お客さんが多いほど、串をタレに漬ける回数が増えるので、自然と殺菌がなされていくことに。
低温殺菌とは摂氏60〜85度で殺菌することで、伝統的に日本の酒造りにも用いられてきた方法となります。
そのほかにも牛乳やチーズ、食肉加工品、清涼飲料水などにも用いられている方法です。
もしもタレを沸騰させて殺菌すると、タレが煮詰まることで味に変化が生じてしまうとのこと。
そうなると秘伝のタレの味に変化が生じてしまうため、伝統を台無しにしてしまう可能性があるということですね。
継ぎ足しによるメリット
何十年も継ぎ足しているタレ、何十年も前のタレが残っていて平気なのか?と思いましたが、実際には継ぎ足し作業をすることで2ヶ月ほどですべて入れ替わってしまうそうです。
レシピ通りに同じ分量でつくられたタレは、継ぎ足しされてもずっと変わらない味がキープされます。
それに加えて、豚や鳥肉などの素材の旨味がタレの中に追加されるので、うまみ成分が凝縮されていくことになります。
継ぎ足し作業にはデメリットが無いため、多くの店が採用しているんでしょうね。
保存食との違い
梅干しなどの保存食は、塩漬けすることで何十年経っても普通に食べられます。
実際、我が家では20世紀に漬けた梅干しが、今でも普通に普通に食べることができるぐらいです。
細菌の繁殖を抑えるには、塩分が10%以上あれば良いとのことですが、梅干しを漬ける際の塩の量はまさに10%なので、おばあちゃんたちの知恵というのは凄いものがあります。
科学的に解明される前から、経験と勘でその数値を導き出していたわけで。
翻ってタレには塩分は10%は含まれていません。
そんなに塩分があったら、しょっぱくて食べられないと思われます。
そのままでは長期保存することができないため、日々の焼きによる低温殺菌で腐敗するのを防いでいたわけですね。
継ぎ足しに意味はない、と言われることもありますが、個人的には十分意味があるように思いました。
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