以前、沖縄に出張した際に台風が上陸して足止めを食ったことがありました。
時に甚大な被害をもたらす台風、デメリットしかないとばかり思っていましたが、実は台風がもたらすメリットもあるようです。
台風のおかげで整備されたこと
戦後まもなくの沖縄は、現在のようなコンクリート住宅が主ではなく、木造の瓦屋根の家も多かったので、台風が通り過ぎた後には道路に瓦が散乱していたようです。
電柱もなぎ倒されるため、当然停電が頻発することに。
そのため、電力の安定供給を図るために電柱やアスファルトを強化し、防風林の植林や川の整備を急ピッチで進めた歴史があるそうです。
そのため、近年では台風による被害が最小限で食い止められるようになったということです。
エメラルドグリーンの海も台風のなせるもの
沖縄には大きな河川がないため、生活用水に恵まれていません。
夏の終わりには深刻な水不足に見舞われることもあり、大型ダムの貯水率が50%を切り、節水を呼び掛けることも。
そんな時に台風が上陸すると、恵みの雨と呼ばれるほど重宝されます。
また、沖縄のエメラルドグリーンの海も台風のもたらした恵みの1つ。
というのも、サンゴの成長に欠かせないプランクトンが台風によって海水が撹拌されることで、海底に棲むサンゴにまで行き渡るそうです。
エメラルドグリーンの源となっているテーブルサンゴは、台風の恵みによってもたらされているというのは驚きでした。
サトウキビも台風のおかげで
台風とはまるで縁がなさそうなサトウキビも、実は密接な関係にありました。
以前のサトウキビは、風でなぎ倒され、塩害により壊死をしたりと台風の度に大きな被害を被っていました。
そうした状況を脱するために、何度となく品種改良がおこなわれ、現在では暴風にさらされても折れることがなくなりました。
世界的にも有数の強さの繊維構造を持つ沖縄のサトウキビ、なるほど売っているサトウキビにそのままかじりついても歯が立たないわけです。
これもひとえに台風に負けない、強い品種を生み出した先人たちのおかげだったんですね。
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